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ものづくり補助金とは、中小企業等による生産性向上を目的とした革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うなどの設備投資を支援する補助金です。補助対象経費の一部を国が支援します。補助上限額は、1000万円、3000万円のいずれかとなり、補助率は、1/2(小規模事業者2/3)となっています。5次締切まで実施されています。それでは、このものづくり補助金の申請について説明していきます。
この中で特に事業者様にとって重要になる項目が②の事業計画書申請と⑤の補助事業期間です。以下で解説していきます。
ものづくり補助金総合サイトからGビズIDプライムという専用アカウントを取得します。
※ものづくり補助金総合サイト:portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
この登録には、申請書と印鑑証明書の郵送が必要になります。
ものづくり補助金専用の電子申請システムにて申請書類の作成と提出を行います。
・事業計画書入力(後ほど詳しく説明します)
送信後、応募締切の約1ヵ月後に③の採択発表があり、採択されれば交付申請することで補助事業の開始となります。交付申請から交付決定までは1ヵ月程度かかります。
以上が②の流れです。次に、事業計画書の書き方について解説します。
公募要領や申請書である書式類は、各都道府県の中小企業団体中央会の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の特設ページに掲載されています。
事業計画には、「事業の具体的な内容」の欄があり、このスペースに記載すべき項目が公募要領で示されています。
①決算書(直近2年間の貸借対照表、損益計算書、(特定非営利活動法人は活動報告書)価報告書、販売管理費明細書、個別注記表)
②賃金引上げ計画を従業員に表明したことを示す書類(様式1を用いる)
③事業の具体的な内容 その1・その2及びその3:会社全体の事業計画の算出根拠(計10ページ以内)
④審査における加点を希望する場合に必要な追加書類
・成長性加点:経営革新計画承認書
・政策加点:開業届又は履歴事項全部証明書
・災害時加点:(連携)事業継続力強化計画認定書
・賃上げ加点:特定適用事業所該当通知書
①補助対象事業としての適格性
「4.補助対象事業の要件」を満たすか。3~5年計画で「付加価値額」年率平均の増加等を達成する取り組みであるか。
②技術面
1.新製品・新サービスの革新的な開発となっているか
2.試作品・サービスモデル等の開発における課題・補助事業の目標に対する達成度の考え方の明確化
3.課題の解決方法が明確かつ妥当、優位性が見込まれるか
4.補助事業実施のための技術的能力が備わっているか
③事業化面
1.補助事業実施のための体制や最近の財務状況等から補助事業を適切に遂行できるか期待できるか。金融機関等から十分な資金調達ができるか
2.市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できるか
3.補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、事業化に至るまでのスケジュールが妥当か
4.補助事業として費用対効果が高いか。
④政策面
1.地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の経済成長を力強く牽引する事業を展開できるか
2.ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか
3.バイオマス素材を用いた資源循環型プラスチック製品の開発等、環境に配慮した持続可能な事業計画となっているか
4.新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えてV字回復を達成するために有効な投稿内容となっているか。〔特別枠のみ〕
詳しくは、公募要領の18、19ページをご覧ください。
⑤の補助事業期間は、10カ月以内です。
交付決定を受けた後、この時点から対象経費の使用が可能になり、補助事業を実施します。この間、事務局の中間検査があります。補助事業終了後には、実績報告書を提出する必要があります。内容は、補助対象経費の支払いなど、お金廻りと補助事業期間中の取り組みなどです。下の項目で実績報告書の書き方について解説します。
<補助対象経費>
補助事業終了日までに使用した経費(発注、納品、検収、支払までの全て)
ポイント1 受付番号
交付決定通知書にある、3014で始まる10桁の受付番号を正しく記入します。
ポイント2 提出日
右上の日付は実績報告書の提出日を記入します。補助事業完了日から30日以内に設定してください。(例:10/30完了→11/30提出では30日以内になりません)
ポイント3 交付決定情報
『様式第2 交付決定通知書』を確認し、右上に記載してある交付決定日と、1から始まる5桁の番号および補助金交付決定額を記入します。
ポイント4 変更情報
『様式第3-1』で計画変更承認申請を行い、承認を受けた場合は、その日付と承認番号を記入します。複数回変更した場合はすべて記載します。変更がない場合は空欄で結構です。
ポイント5 金額の転記
『様式第6別紙2経費明細書』の合計金額を転記します。転記ミスが発生しやすいので注意してください。
次回は、5月22日(金)17時から始まった3次締切に申請が可能です。申請締切は8月3日(月)17時までとなっています。
以上がものづくり補助金の申請方法・書類を書く際のポイントでした。練られた計画書が書けると採択されやすくなるのでこの過程を重視して取り組みましょう。
【参考文献】
Andy 「超速で「ものづくり補助金2020」を申し込んでみた①」
https://note.com/jsp_ando/n/nf668e2505f0d
ものづくり補助金総合サイト「公募要領」
portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
INNOVALES「令和元年補正(2020年実施)ものづくり補助金の書き方や応募要件のまとめ」https://innovales.jp/2020mono-matome/
経済産業省「補助金申請システムの検討状況について」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/bukai/20181127/181127bukai01.pdf
MOI「2020年実施「ものづくり補助金」が10分でだいたいわかる!(概要・書き方まとめ)」
https://imamura-net.com/blogpost/11133/
補助金ナビ「スキーム、流れ、日程」
https://hojokin-navi.com/monodukuri_main/monodukuri_scheme/
アステップ・コンサルティング「ものづくり補助金は採択されてからが本番!?交付申請から補助金受領までの手続き方法」
https://keiei-consultant.com/koufushinsei/
テクトレージ「ものづくり補助金の実績報告書について」
https://techtrage.jp/2019/12/10/monozukuri-heisei30-jissekihoukoku-2/
おいしい冷凍研究所 「2020年【ものづくり補助金】申請書の入手方法・書き方」
https://frozen-lab.eda-mame.jp/knowhow/2020monohojo_applicationform#3